獣姦と屍姦

支那人には、往々に性欲に対しては徳義心を欠き、思慮に乏しい連中が多いので、従来から彼等の間に、獣姦、屍姦、偶像姦などといふ原始的な方法で、情欲の満足を得るものが居つた。

今でもよく新聞などて見受ける所だ。

獣姦の相手は主に柔順な驢馬で、時に兎などが引き合ひに出されることもある。

繁華な城内や浅草公園式な場所にある覗きカラクリやその他にもこの方面の書画はいくらもある。

支那人同志で、半生臆面もなく、曝け出す罵倒の言葉─驢入肉的とか驢下的、兎羔子的などいふのが、この間の消息を伝へ得て、余りある屍姦といふのは、いろいろの伝説も迷信もあるが、最近では、上海に西洋婦人の屍姦問題で、物議をかもしたのがある。

よく許婚の恋女が死んで、男が墓を發いて云々といふことは、往々小説にも、新聞紙上にも出てくるが、余り気持のいゝ話でない。

それよりは蒙古のランドルマ─婦人の多淫を戒めるためだとはいふが蒙古人にとり、牛そのものが如何に貴重な財産とはいへ、獣姦の逆に行くやうな、いかがわしい仏画が麗々しく喇嘛寺に飾つてあるのは、不愉快極まることである。

(支那猥談集より)